APD -高コストパフォーマンスの電源アダプタ設計実現にいたるまで

【カスタム電源設計ソリューション】高コストパフォーマンスの電源アダプタ設計実現にいたるまで

民生用電子機器類に対して日ごとに増すニーズと、メーカー間での競争が激化するにつれ、電源メーカーが各社ともにコスト低減に努めていることは今や常識となっています。例えばサプライチェーンを垂直統合したり、新材料や自動生産ラインを導入するなど、製品コスト低減には様々なやり方がありますが、同様に設計の最適化を重視することで高コストパフォーマンスの電源の生産を実現することも可能です。

顧客価値

スイッチング電源は輸送や使用過程で落下する可能性があります。落下高度が高ければその分製品は破損しやすく、ユーザが使用できなくなるおそれがあります。このような状況を改善するために電源製品の設計初期段階において、落下に耐え得る規格要求を盛り込みます。国際電気標準会議(IEC)では、自然落下に対しIEC 60068-2-32規格を制定して製品の信頼性を確保しています。

落下については、従来の設計方式ではボンド塗布工程を増やすことで部品を固定し、落下試験に対応していました。しかし、この方法だとボンド購入にかかるコストが増大します。APDグループは落下によって破損しやすい部品について設計上で改善を図り、一部の型番の製品ではすでに製品本体全体でボンド塗布工程が不要な状態を実現して生産コストを削減し、お客様に更にコストパフォーマンスの高い製品を提供できるようになりました。

製品全体でボンド塗布工程をなくすことで、ボンド購入コストとボンド塗布にかかる工数の削減が実現し、生産効率が向上しました。従来のボンド塗布工程をなくすことは容易なことではありませんでしたが、当グループ製品は設計を見直すことで最終的にボンド塗布工程をなくし、同時に落下特性の影響も回避することができるようになりました。

プロジェクトの実現

スイッチング電源における接着剤の役目は部品が破損しないよう固定し、放熱させて部品温度を下げ、傾きやすい部品を固定して安全基準が定める適性距離を保つことにあります。APDの製品は設計上の最適化を通して、落下時によく見られる現象について科学的な改善と検証をしてみました。

現象 改善策 テスト条件 改善前 改善後
インダクタンスピン、パッドトレースの断裂 1. ボビンの支点増加

2.パッドのティアドロップ増加

3. トレースの銅露出増加

4. 巻線インダクタ工程の改善

1.2M高度から落下させる(サンプルは3件) 破損1件 全て合格
インダクタラインの断線
トランスの脱落 1.トランスのピン足数増化

2.ピン形状を変更

3. パッドのティアドロップ増加

破損1件 全て合格
トランスの断線
PCBのショート・断線 異なるメーカー製造の同材質のボードのうち、剥離強度試験で最も優秀だったボードを採用 銅箔の剥がれ2件 全て合格

以上の実験資料から分かる対策を導入することで、落下特性を満たすとともに、製品のコストパフォーマンス率の向上が実現しました。

 APDグループは品質を最優先に考え、お客様のご希望条件を変更しないという前提のもと、生産・材料・マンパワーのコストを削減し、お客様に満足していただけるよう尽力しています。また、設計上の価値改善によって、技術革新と持続的経営の理念を実現していきます。