【通信ネットワーク用電源】スイッチング電源の ISN 測定

全ての電子機器設備は、伝導エミッション試験に合格後、初めて販売することができます。通信ポートの出力ノイズは通話品質やネットワークの通信速度を低下させるため、ほとんどの通信機器設備は、伝導エミッション試験で電源ラインの伝導性妨害波を測定するほか、通信ポートのノイズについても ISN を用いた測定を行わなければなりません。測定は LISN と ISN という二種類の装置を用いて行います。通常、電源ライン上のノイズ測定には LISN を、通信ポート上のノイズ測定には ISN を使用し、その参照規格は EN55032/FCC Part 15 となります。

 

ISN: インピーダンス安定化回路網(Impedance Stabilization Network)は、通信機能を持つPCや電子機器の測定に用いられます。一般に全ての通信機器設備は ISN を用いた測定が必要で、主に DSL モデムポート (RJ45) のコモンモードノイズを測定します。

LISN: ラインインピーダンス安定化回路網(Line Impedance Stabilization Network)は、伝導エミッション試験において電源ラインと被試験機器の間に接続され、被試験機器の干渉ノイズをEMC試験機器に送る役割を果たします。

 

LISN と ISN の主たる違いは、LISN は電源ラインの伝導性妨害波を、ISN は通信ポートの伝導性妨害波を測定するところにあります。LISN と ISN のイメージ図は以下の通りです。

通常は EN55032 規格に基づく試験を実施し、そのうち ISN を用いた測定は比較的容易に規定値をクリアすることができます。しかし、一部の国または地域では ISN を用いた測定試験に違いがあり、中でもドイツテレコムはその基準が厳しくなっています。このような場合、スイッチング電源本体の出力ラインにおけるコモンモードノイズは極めて重要なポイントとなります。

ドイツテレコムの要求基準における周波数とコモンモード電圧の上限値がEN55032規格との差異が大きいことを表す試験データを、参考まで以下に示します。

 

APD は長期にわたり通信ネットワーク関連電源の開発に地道に取り組み、海外顧客と積み重ねてきた長年の経験から、電源ラインの ISN 測定ソリューションを速やかに提供いたします。