亜源グループ独自の強みを確立し、特定の電源分野開拓で成果

亜源グループ電源事業部総経理 荘栄源氏

 

亜源グループのカスタム設計能力は以前から高い評価を受けており、同グループの輝かしい業績を支えているのは正にこの研究開発の力である。研究開発に携わるスタッフ数は実に300名を超え、社員全体の17%以上を占めている。そして毎年売上高の5%以上を研究開発基金として計上しているという。

このほか、更に新たな核心となる製品とその製造プロセスの研究開発に挑むために、同グループはDFSS(シックシグマ)の研究開発認証システムを全面的に導入している。これにより同グループの研究開発スタッフは、製品開発の初期段階から量産体制に入る前までのフロー全体において、システマティックな方式で高い品質と安定性を併せ持つ製品を生み出すことが求められている。

特筆すべきことは同グループがグローバルメーカーから注目を浴びる理由についてだ。充実した研究開発力とカスタム設計能力、柔軟性の高い製造能力などが重要な要素であることは疑いないが、同グループが企業の社会的責任(CSR)を重視していることが欧米顧客らと長期に渡る提携関係を維持できている一つの大きな加点要素と言えるであろう。事実、同グループが先日ドイツ・テレコム (DT) よりCSR銅賞を授与されたことは同グループの労働者・健康と安全・環境・道徳的規範・管理システムなどに対する重視と実践が評価さ
れた表れである。

 

医療分野の開拓 安全基準を全てクリア

市場の版図を開拓する上で、利益幅の縮小が止まらないITやコンシューマエレクトロニクス製品に対し、医療用電源市場は近年メーカー各社が積極的に進出している分野だ。しかし、医療市場は極めて保守的かつ安全基準が厳しく、短期間で成果を上げることは難しい。「我々は既に10年以上医療分野を開拓している。亜源グループが蓄積してきた競争的優位性は他社が短期間で簡単に追いつけるものではない」と荘氏は語っている。

医療分野開拓に当たり、亜源グループはISO13485医療器材品質管理システム認証と、IEC60601医療安全基準をクリアしており、医療分野における高品質、高安定性、高安全基準という厳しい要求を全て満たしている。

亜源グループは現在、主に人口呼吸器や噴霧器、そして血圧計などの医療機器用の高品質電源供給機を提供している。人口呼吸器を例に挙げるならば、医療用電源機器は騒音や電磁波からの防護、防水に対する要求がITやコンシューマエレクトロニクス機器よりもはるかに高い。同グループは長年、医療用電源製品の品質向上のために努力を続け、その高い要求に応えてきた。欧米や日本などの国際医療大手メーカーとの提携実績は、同グループの医療用電源設計能力をなによりも証明していると言えよう。

亜源グループは今後、中国の医療市場の開拓に更に注力していくが、荘氏は「中国の医療市場の潜在需要は非常に大きい。そのうえ市場は目下のところ戦国時代の相を呈しており、早期に市場で有利なポジションにつけたい」と語っている。同グループは先日、中国医療機器展(CMEF)にて好評を博し、柔軟なカスタム設計能力が注目され、今後多くのビジネスに発展する見通しだ

 

最高レベルの安全規格実験室で顧客の製品早期発売をバックアップ

医療分野ソリューションを含む各種電源製品の品質を厳しく管理するため、そして顧客が更に早く製品をグローバル市場に投入できるようバックアップをするために、亜源グループは膨大なリソースを投じて「UL安全基準実験室」及び「電磁両立性(MEC)実験室」を含む業界最高規格の実験室を設置した。

この実験室設立は亜源グループが製品の安全、EMC、効率規準研究、認証チェックなど全てに渡り、業界最新基準のIEC/EN/UL62368、IEC/EN/UL60950-1とIEC/EN/UL60065の基準に合格していることを意味する。「最高規格の実験室が設置できたことが示す更に大きな意義は、亜源グループのシステム運用とスタッフの技術力が100%の信頼を得ているということにある」と荘氏も特に強調している。

長期的なビジョンについて、荘氏は「亜源グループは今後も核心となる技術の研究開発に継続して注力し、カスタム設計能力と生産効率の向上で世界中のお客様に最も競争力のある電源製品を提供していき、特定の分野でのリーダーとなる目標を達成する」と決意を表明した。もうすぐ開幕するCOMPUTEX TAIPEI 2018で、亜源グループはネットワーク通信機器用、情報機器用、医療機器用電源とカスタマイズされた電源ソリューションで多様化した電源技術の成果のデモンストレーションを実施する予定だ。興味のある読者は是非来場されたい。

ニュース出典:DIGITIMES