APD IEC / EN 62368-1 法規製品を全面導入

【カスタム電源設計ソリューション】APD IEC / EN 62368-1 法規製品を全面導入

音響・映像などのマルチメディア技術発展に伴い、AV機器とIT機器の融合が進み、最近では両者の境界線が曖昧になりつつあります。規格上でも統合が進み、新たな規格としてIEC / EN  62368-1が生まれました。

IEC / EN 62368-1は、IEC / EN 60950-1 およびIEC / EN 60065にとって代わるAV機器とIT機器に対する安全要求事項です。新規格は両者の内容をただ単に集約したわけでなく、ハザードベース・セーフティ・エンジニアリング(HBSE:危険から始まる安全工学)という新しいアプローチが採用されています。この新アプローチでは異なる危険エネルギー源に対し、それぞれ異なる人体への安全防護要求が盛り込まれています。

IEC 62368-1 の強制発効日は欧州連合(EU)により2019年6月20日に定められています。AV・IT製品は発効日以降、欧州地区では EN 62368-1のみの申請となります。新規格に合致しない製品はEU圏内での販売は認められません。一方、北米地区では旧基準のUL 60065 / 60950 は引き続き有効ですが、新たに申請する場合もしくは変更する場合には強制的に ANSI / UL 62369-1に切り替えることになります。

APDグループの全シリーズの新製品はすべてIEC / EN 62368-1 規格に沿って設計がなされているため、迅速かつ効率よくお客様の製品が安全基準認証に合格して、市場で更なる競争力を発揮できるようお手伝いします。

当グループはISO 17025認証をクリアした安全基準実験室と高効率の安全基準チームを有しており、新旧規格の相違点についてしっかり理解し見極める力があります(表1参照)。設計の初期段階で安全基準チェックシートで確認し、製品が迅速に新規格審査に合格できるよう保証いたします。

新旧規格の相違点:

60950-1 62368-1
危険電圧
(Vdc)
60Vdc ES1≦60VdcES2≦120Vdc

ES3>ES2

危険電圧
(Vpeak Or Vrms)
42.4Vpeak ES1≦30Vrms、42.4VpeakES2≦50Vrms、70.7Vpeak

ES3>ES2

X-cap. Discharge <37% after 1 sec0.1uF以下は測定しない C≧0.3uF:<60Vpeak after 2 secC≧0.17uF:<75Vpeak after 2 sec

C≧0.09uF:<100Vpeak after 2 sec

放電部の故障 考慮しない 短絡もしくは開放 < 60Vpeak after 2sec
ブリード抵抗 特殊要求はなし 認可の材料使用を推奨
距離(海拔5,000m) Clearance 6.0mmCreepage 6.0mm Clearance 4.5mmCreepage 5.0mm
Electric strength(Hi-pot) R:3,000Vac、4,242VdcB:1,500Vac、2,121Vdc R:4,000VdcB:2,500Vdc
Primary-Ground Y-Cap.使用 Y1ⅹ1 or Y2ⅹ1 Y1ⅹ1 or Y2ⅹ2(入力150Vac以上の製品)
導体サイズ 最小 18AWG 定格電流 3A 以下で 20AWG使用可
保護接地導体サイズ 16A 以下はサイズ規定なし 3A:22AWG min.6A:20AWG min.

10A:18AWG min.

16A:16AWG min.

15W 以上の電線規格 UL規格VW-1電線のみ 60332 または 60950 試験合格品を使用すること
耐火ケース V-1 V-0
ケース温度

(正常状態)

プラスチック:95℃

金属:70℃

At Max. ambient temperature

プラスチック:94℃ 金属:70℃(<1s)

プラスチック: 77℃ 金属: 60℃(>1 s and<10s)

at 25℃ ambient temperature

ケース温度

(異常状態)

規格なし プラスチック:104℃ 金属:80℃(<1s)

プラスチック: 87℃ 金属: 70℃(>1 s and<10s)

at 25℃ ambient temperature